売買代金ランキング5位の余波
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新規上場IPO銘柄の値動きの実際。
火曜日に異常な売買高で、売買代金ランキング5位に食い込んだソレイジア・ファーマ(4597)。
吸収金額37億円程度のIPO銘柄が、売買代金441億円だから、10回転ちかくの激しい売買だ。
そして高値で揉み合いが続いたあげくに値を消したもんだから、上値がまたものすごく重くなってしまった。
前日、上場来高値の285円を一週間ぶりに抜いたというのに、350円から370円前後にまた、大きな塩漬けゾーンができてしまったのだ。
もちろんなぜ350円から370円くらいで売りが強くなったかは、説明できる。
というのも上場来高値を更新したところで、次の利益確定ポイントを考えると、初動前から5割高とか2倍というのが意識されるからだ。
急騰株というのは、株価が2倍に近付くと、途端に売りが増えてくるのだが、公募価格は185円だから、2倍で370円ってことだ。
また初値は234円に対して5割アップ水準は350円くらいになる。
こういう風に5割高、2倍、というのは、利確しやすいポイントになるので、大口の投資家は喜んで手持ち株を売ってくる。
株価が二倍になったら、半分売って投資を回収し、残りを恩株(おんかぶ)として持っておくなんて投資手法は、邱永漢さんが昔から提唱してたしね。
まあそういうわけで、数百万株のホルダーが入れ替わったが、これが上値となって株価上昇の重しになってしまったわけだね。
そしてさらにもう一つ新しい問題が発生した。
というのは、為替レートや日経225平均株価に連動しやすくなったのだ。
下にソレイジアと日経平均の5分足チャートを並べてみると、同じように11時前から値崩れが始まっているのがわかる。
ソレイジア、上場10日目の5分足チャート(17/4/6 木曜日)
日経平均の5分足チャート(17/4/6)
新興株なのに、日経平均の動きに連動するようになった
日経平均株価や東証一部銘柄とは、全く関係なく動いていた新規IPO銘柄のソレイジア。
上場10日目にはなぜか、日経平均株価と連動するような動きを見せ始めた。
為替レートや米国株とは、殆ど関係ない大赤字バイオ銘柄なのに、日経平均の動きに連動して反応しやすくなってしまった。
どうやら火曜日の異常な売買高のせいで、普段、東証一部銘柄を中心に売買していりトレーダーが大挙してホルダーになってしまったらしい。
低位の新興市場株というのは、値動きが非常に激しいので、普段はあまり一部銘柄トレーダーは参加してこない。
普段、値動きがゆっくりしている東証一部銘柄で稼いでいるし、新興株のみを売買しているトレーダーより資金力が何倍もデカいから、売買代金が少ない銘柄には参加しにくいのだ。
ところが異常な出来高によって、売買代金ランキング5位に食い込んでしまうと、否が応でも彼らの目に入り、ソレイジアの大口ホルダーになってしまったのだろう。
そのため日経平均が大きく下がると、一部銘柄トレーダーによってソレイジアの株も売られるが、彼らは新興株トレーダーより大口なので、大きく下がる状態になってしまったということらしい。
おかげで、米国のドナルド・トランプ大統領が中国首脳と会談直前に、シリアにミサイルをぶちかましたニュースで日経平均が一気に200円下がった際にも、なぜかソレイジアの株もどんどん売られて、300円の大台も割り込む自体となった。
こういうのが嫌だから、新興株を中心に売買しているというのに、困ったもんだ。