ファンダメンタル分析とは
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新興市場株の特徴。
次は、新興市場銘柄とファンダメンタル分析についてだ。
株価が騰がるか下がるかを予想するには、いくつかの手法がある。
大きく分けると、
- ファンダメンタル分析
- テクニカル分析
- アノマリー
このうち、ファンダメンタル分析とは、企業の財務諸表や経営効率、競合相手と比べた優位性、市場の将来性(拡大市場か縮小市場か)…などのデータから、その企業の価値や、今後の業績を予想することだ。
この企業は近い将来、これくらいの利益を上げる様になる…と予想し、そこから会社の価値を算出する。
これを発行済み株数で割れば、適正株価が割り出せる。
そして現在株価が適正株価より低ければ、近い将来、騰がると予想出来るし、逆に現在株価が適正株価より高ければ、どこかで下がるという風に予想出来る。
これは「大数の法則」というもので、株式市場では毎日のように売買が行われ、毎日株価が変わっていくけれど、だんだん「本当の株価に近づいていく」という理屈だ。
この「本当の株価」というのが適正株価であり、市場で取引されている株価は、適正株価をはさんでウロウロしているだけだと考える。
つまりファンダメンタル分析とは、長期保有を前提にした予想や分析で、年金や保険などの大手機関投資家にとって、役に立つ分析方法だと言える。
新興市場の新興株に、ファンダメンタル分析は役立つか?
ファンダメンタル分析とは、企業の財務諸表や競合相手との関係、市場の将来性などから、企業価値を分析する方法だ。
ファンダメンタル分析によって、企業の「適正株価」が算出され、それより安ければ買い、高ければ売りと言う風に売買する。
ただしこれは機関投資家などの長期投資家に向いた手法で、短期売買をする投資家には役立たない。
ファンダメンタル分析で予想しているのは、数年後の企業の様子の話だからね。
しかし別の方法もある。
それが配当利回りだ。
配当利回りとは、配当金÷株価で、たとえば配当利回りが5%以上なら買い、5%未満なら売りなどという風に売買出来る。
地合いが悪くて株価がどんどん下がっていく時でも、優良銘柄がある一定の株価で下げ止まるのは、株価下落で配当利回りが良くなるからだ。
だから、配当が約束されている銘柄なら、株価が下がりすぎて利回りが良くなった時点で、株価が買われ始めるという現象が起こる。
年金や保険などの大手機関投資家は、株の売買差益よりも、配当利回りの方が重要だ。
数百億円、数千億円、数兆円もの資金を運用し、確実に収益を上げるには、配当金狙いしかない。
なので株価が安くなって配当利回りが高くなったら、大手機関投資家達が、その株を買ってくるわけだ。
しかしマザーズやジャスダックの新興株には、ファンダメンタル分析なんか役に立たない。
だいたい新興企業の適正株価が、いくらだなんて分からないからだ。
いつ赤字になるやも知れず、安定的な配当も期待できないから、配当利回りで高いか安いかも判断出来ない。