イナゴ投資家が新興株を動かす
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新興市場株の上昇と下落は、俗に言う「イナゴ投資家」によって作られる。
有望な銘柄にはデイトレーダー達が群がり、株価をあっと言う間に急騰させる。
株価の急騰が続いて関心を集め、だんだん他の投資家が集まってくると、どんどん利益確定して、他の銘柄に飛んでいく。
ウマそうな銘柄に大挙して集まって、株価が上げ止まったらさっさと去って行き、その様子が「イナゴの様だ」ということで、イナゴ投資家とかイナゴトレーダーと呼ばれる。
この「イナゴ」という表現は、元々ドイツの左派政治家が、ヘッジファンドに対して使った言葉だそうだが、イナゴ投資家がやってくると市場が混乱し、イナゴ投資家が去って行くと、取り残された投資家達の死屍累々が横たわる。
というのも群がっていたイナゴ投資家が去ってしまうと、売買バランスが大きく崩れて大幅下落になることが多い。
そしてイナゴの行動パターンを知らない個人投資家が、日足チャートを見て買いに入ると高値づかみになって、損切りや塩漬けを余儀なくされたりする。
イナゴが集まってきて去って行く5分足チャートの例
これは5分足チャートだが、日足チャートでも似たことが起こる。
短時間で買いが集まったが、材料がもう一つなので、買いが続かずに萎んでいく。
新興銘柄は、基本的に赤字なので売られやすい
急騰している新興株には、必ずと言って良いほど、イナゴ投資家が群がっている。
新しいテーマが出るたびに、イナゴ投資家を中心にその関連銘柄が物色され、何日もストップ高をつけたりする。
新興市場に上場している銘柄には、新しいことをやっている企業が多く、近い将来に世界を大きく変えそうな革新的な技術を開発している。
ただ新しい技術は、普及するまでに時間がかかるので、販売が軌道に乗ったり、ロイヤリティ収入が安定するまで、赤字を垂れ流しながら開発していたりする。
そのため、話題になれば株価は上がるが、決算発表が出るたびに売られて、株価が暴騰しては暴落すると言うことを繰り返す。
そういうことがあるので、イナゴ投資家は、株価がちょっと動いたら、とりあえず買って、下げ始めたらさっさと逃げるのが習性になっている。
なのでこんなチャートができるわけだ。
イナゴが集まって去って行った5分足チャートの例2
これはまだ、急騰前の株価より高い水準で終わっているので、翌日以降に期待が持てるが、高値で買ってしまったら、かなりの確率で損切りになる。
ハイリスク・ハイリターンなのが、新興株の特徴だというのは、こういうとこだな。
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