東証一部銘柄と、新興株・新興市場銘柄、何が違う?
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新興株は、平均株価に選ばれるような東証一部の大企業の株とは、まったく違った違った動きをする。
日経平均株価というのは、東証一部で売買されている、有力企業の株価を平均したものだ。
2016年1月現在で、東証が扱っている銘柄数は、
- 東証一部 1,940社
- 東証二部 543社
- 東証マザーズ 221社
- ジャスダックスタンダード(JQS)745社
- ジャスダックグロース(JQG)44社
この約3,500社の中で、時価総額が多く、株主数が多い約2,000社が、東証一部銘柄。
その約2,000社の東証一部銘柄の中から、さらに日本経済新聞社が業種ごとに有力企業を選り抜いて225社に絞って株価を平均したのが日経平均株価ってことになる。
一方、東証の興した新興市場が、東証マザーズで、約200社ある。
東証マザーズに上場した企業は、上場したあと数年後に東証1部か2部に、市場変更することが義務づけられている。
つまり一部がメジャー、二部がマイナー、マザーズが、ルーキーリーグってことだ。
そしてメジャー銘柄が国内外の多くの投資家から注目を集めるのに対し、マイナーな新興銘柄は、国内の個人投資家や、一部の投資グループしか関心を持たれない。
ここに大きな違いがある。
新興株は売買代金が少ない
日経225に選ばれる様な銘柄と、新興市場株にはどのような違いがあるのか。
一番大きな違いは、売買代金の規模だ。
東証一部銘柄の上位50銘柄は、一日あたり100億円以上の売買代金がある。
一方、新興市場株の場合は、一番売買代金が多い銘柄で、ようやく100億円を超える。
なので全市場の売買代金ランキングを見ると、新興株は30位とか50位くらいに出てくるだけだ。
新しい技術やサービスなど、テーマ株に買いが集まっているときは、新興株がランキング上位に顔を出す。
新しいテーマに則した関連企業は、どうしても新興株に多いので、そういうときだけ総合ランキングに顔を出す。
しかしそれは月に何回かあるだけで、普段は全然ランキング上位には来ない。
なぜこんなに差があるのかというと、元々企業の規模が違う。
そしてもう一つ大きく違うのは、日経225やTOPICSなどの指数に、組み込まれているかどうかで違う。
というのも巨大な資金を運用しているヘッジファンドや機関投資家というのは、個別銘柄の投資も行っているが、日経225先物と現物の売買の両方を行う。
つまり日経平均の算出に使われる、225銘柄を全部買いつつ、日経平均先物を売ったりする。
これによって、先物と現物の差額が、儲けになるという仕組みだ。
また日経225採用銘柄は、大きな投資ファンドにも組み込まれやすい。
そのため、年中一定以上の売買があって、それで売買代金が大きくなるわけだ。
ところが新興市場株は、裁定取引にも使われにくいし、大きな投資ファンドに組み込まれにくい。
いつ潰れてもおかしくない企業や、万年赤字の企業などが多いので、投資ファンドに組み込まれることは少ない。
それで取引が閑散化して、株価が下がりやすくなる。