投資ファンドが狙う企業・株とは?
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投資ファンドとは、資金を集めて運用する投資集団や投資信託のことを言う。
投資集団としての投資ファンドでは、阪神電鉄を買収しようとした「村上ファンド」などが有名だ。
これは投資先を特定しないでお金を募集するファンドで、「あんたに任せた」と丸投げするファンドだ。
資産家が集まってファンドマネージャーを雇い、そのファンドマネージャーが膨大な資金を運用して、大もうけを狙うという感じの投資ファンドになる。
一方、銀行や証券会社などで扱っているのは、投資分野を特定したファンドで、投資信託と呼ばれるヤツだ。
投資信託というのは、たとえば「アジア成長株ファンド」とか「日本新興株ファンド」「中小型株ファンド」などといって、どういう方面に投資を行うかを明確にして資金を集める。
こういうのは、投資はしたいが、いちいち株を売買するのが面倒だ、と言う人向けの投資ファンドという風に考えれば良い。
中国株やインド株など、売買が面倒な株式投資は、個人投資家では手が出しにくいが、投資ファンドなら投資することができるからね。
こういう投資ファンドに組み入れられ、機関投資家が売買している株というのは、株価が比較的安定するので、個人投資家としても心強いというわけだ。
ところがこういう投資ファンドが売買候補に入れる企業・銘柄というのは、一定の条件を満たした企業・銘柄に絞られる。
その原因の一つが5%ルールというヤツだ。
金融商品取引法の5%ルールとは?
投資ファンドが売買候補に入れる株・銘柄には、それぞれ一定の基準がある。
村上ファンドのような投資集団では、資金運用はファンド・マネージャーに一任で、どこにどれだけ投資しようが、構わない。
これは投資資金を出しているのが、少数の大金持ち達だからできることだ。
しかし一般の投資ファンドというのは、特定の分野や投資先に投資を行うという前提で、投資資金を集めているため、その基準に満たない株や銘柄には投資しない。
たとえば医薬バイオ関連の投資ファンドは、近い将来、大きな業績を上げそうな企業に投資するが、建設株など他の分野の企業には投資しない。
そんなことをしたら、趣旨と異なるし、信用を失う。
投資先の選択は、投資資金を集めた段階で制限されているわけだ。
そしてもう一つが、5%ルール(大量保有報告制度)だ。
実は、一つの企業の株式を5%以上の株式を取得している場合、株式を取得してから5営業日以内に必ず「大量保有報告書」を提出しなければならない。
また5%以上の株式を持っている場合は、1%以上の変化があれば、5営業日以内に報告しなければならない。
日常的に株式を売買している投資会社などでは、毎月2回、決まった日(15日と30日、または第2月曜日と第4月曜日)に「大量保有報告書」を提出するルールになっている。
これによって、誰がどういう目的で株式を大量所有しているかがわかるのだが、小さな投資会社では、報告書を出す面倒な作業を避けるため、一つの銘柄の保有を5%未満に制限している場合も多いと言う。
そのため、時価総額が100億円未満の企業には投資しにくく、時価総額が100億円以上ないと、投資して良い候補リストには載せられないということらしい。