新興市場は、日経平均の影響を受けにくい
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新興市場の株は、日経平均株価とは、違った動きをすることが多い。
たとえば日経平均がさえなくても、新興市場は賑わっていたり、逆に日経平均が大賑わいの時、新興市場は閑散としていたりする。
これは、日経平均株価の算出に使われる東証一部の225銘柄を売買する主体と、マザーズやジャスダックの新興株を、売買する主体が全然違うからだ。
日経平均に採用されている様な銘柄は、時価総額が1,000億円以上ある銘柄で、株主の数ももの凄く多い銘柄だ。
そのため、225銘柄を売買する主体は、年金や保険会社などの機関投資家だとか、ヘッジファンド、大手投資ファンドなどである。
彼らは何十億円とか、何百億円とか、何千億円単位の資金を運用しているため、時価総額が数千億円以上ある様な、規模のドデカい銘柄しか売買出来ない。
短期のヘッジファンドなら、現物インデックス取引と、先物取引のペア取引で裁定取引で儲けるが、これも巨大な資金を運用するためのモノだ。
一方、新興市場の銘柄というのは、時価総額20億円から500億円程度の、中小企業ばかりである。
店舗数が百以上ある飲食店チェーンなども、新興市場レベルの企業で、時価総額は大したことがない。
というのも日本中に約3,000店舗を展開する日本マクドナルドだって、東証1部ではなく、東証2部なのだ。
こんな時価総額の小さな企業の銘柄を、大手機関投資家やヘッジファンドは買えない。
新興株が日経平均に巻き込まれるケースとは
新興市場株は、日経平均とはあまり関係がない動きをすることが多い。
たとえばニューヨークダウが下がると、日経平均も連れ安することが多いが、新興市場の株は、ダウ安でも関係がない。
米国の株の平均が下がったら、なぜ日本の株も下がるのかというと、ダウ平均に採用されている銘柄は、世界中でビジネスをしているため、業界全体のトレンドが分かるのだ。
たとえばダウ工業株30種平均の採用銘柄のキャタピラーという企業は、世界最大の建設機械メーカーで、売上高の6割り以上が、米国国外からのモノである。
なのでキャタピラーの株価が下がり始めたら、日本の建設機械メーカーの株価も、しばらくしたら下がり始めることになる。
建設機械に対する需要が減っているので、その影響は日本のメーカにも及ぶと考えられるからだ。
また直接的な影響がある場合もある。
アメリカ企業に部品を供給しているメーカーは、その企業の業績が落ちれば、連れ安になる。
たとえばiPhoneのアップル社の株価が下がれば、その部品を作っている日本企業の株も下がるという具合に。
しかし新興企業は、そういう影響を受けにくい。
大企業の業績とは、あまり関係のないジャンルで事業を行っていたりするからね。
ただ、日経平均が暴騰したり暴落しているときは、新興市場にも色々と影響が出てくる。
たとえば日経平均が暴騰しているときは、新興市場は売買高が減って閑散とする。
また日経平均が暴落しているときは、新興市場の銘柄も売られて暴落するのだ。