市場変更申請
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新興株でほぼ確実に値上がりを期待することができるのが、「市場変更申請」銘柄だ。
市場変更申請というのは、東証マザーズやジャスダックから、本則市場(東証一部または二部)に、市場変更を申請することだ。
マザーズの場合は、上場から10年たつと、一部または二部に変更を打診され、たいていの場合、市場変更になる。
というのもマザーズというのは、あくまでも東証一部や二部に上場する前の段階の市場という位置づけだからだ。
そして東証一部に市場変更が認められると、翌月末からTOPIX指数に組み込まれるため、投資ファンドなどの買いが期待できる。
そのため、一部への市場変更申請が出ると、株価がジワジワ上がり始めることが多い。
特に「立会外分売」(たちあいがい ぶんばい)が終わると、約20日後には市場変更の発表が出るため、嫌が応にも期待が高まる。
2016/09/9の大引け後に、一部への昇格が決まった6050イー・ガーディアン(EG)の場合も、株価は立会外分売のお知らせの後から、動意付いている印象だった。
イー・ガーディアンの昇格決定までの日足チャート
立会外分売と一部市場変更はどう関係するのか
立会外分売(たちあいがいぶんばい)とは、市場外で企業が株を一般に売り渡すことだ。
たいていの場合、大引け時点の株価より、少し安い価格で売り出される。
しかも1,000円前後の株なら、買える株数の上限は1,000株くらいで、100万円程度が上限らしい。
というのもこの立会外分売は、企業の大株主が持っている株を、一般投資家に細かく売り渡すことが目的だ。
一部市場に昇格するためには、発行済み株式の35%以上の株を、市場で流通させていないといけないため、小口に分けて株を分売する。
これによって固定株比率が下がり、浮動株比率が上がるわけだね。
たとえば16年9月に一部市場昇格が決まったイー・ガーディアンの日足チャートを見ると、立会外分売のお知らせが出た後と、立会外分売終了のお知らせが出た後に、株が買われて株価が上がり始めている。
立会外分売のお知らせが出たのが、8月1日の大引け後で、終了のお知らせが出たのが、8月17日の午前10時過ぎ。
このIRが出て以降は、陽線の次の日が陰線、また陽線が出て陰線の繰り返し。
分売終了当日と翌日は、長い上ヒゲが出ているが、分売で株を手に入れた人が、利益確定に走ったのだろう。
その後は売りの勢いが弱まって、株価がジワジワ上がり、昇格の発表の時期(分売終了3週間後)が近付くにつれ出来高も株価も増え始めた。
そうして一部昇格が発表されたわけだが、その後は利益確定売りに押されて、株価は下がっていった。
材料出尽くしって事らしいね。