ボロ株が第三者割当増資で上がるわけ
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ボロ株が急騰するキッカケにも色々あるが、「第三者割当増資」で急騰することもある。
第三者割当増資というのは、ベンチャーキャピタルや投資会社に、まとめて新しい株を売って、資金を調達するという方法だ。
増資というと、普通は株価は下がる。
というのも一株当たりの利益が減るからだ。
たとえば全部で100万株だったモノが、200万株に増えたとしても、利益は変わらないわけだから、一株利益は半分になってしまう。
こういうのを株の希薄化などと言うが、増資によって1割から2割は、株価が下がるのが普通だ。
ところがいつ倒産してもおかしくない、ボロ株企業の第三者割当増資は違う。
ボロ株企業が第三者割当増資を行うと、「何か新しいことでも始めるのか?」と、期待が集まって株価が上がるのだ。
というのも倒産寸前の企業の新株を何億も出して買うなんて、普通はあり得ないことだ。
増資を引き受ける側は企業から説明を受け、何らかの好材料をつかんでいるはずだ。
それがあるからこそ、増資を引き受けたのだろう。
そういう風に考えて、期待するわけだね。
そういうことがなくても、増資によって、企業の営業資金が増えるわけだから、倒産危機や、債務超過という最悪の状態からは脱しているはず。
ボロ株の場合、上場廃止懸念というのもあって、疑義があると、なかなか安心して株を買えない。
第三者割当増資は、そういう懸念も払拭出来る。
なので新たに買いが入って株価が上がるわけだ。
行使価額修正条項付新株予約権とは
通常の企業の場合は、増資を発表すると、たちまち株価が1~2割下がる。
ところが超々低位株・ボロ株の企業が、第三者割当増資を発表すると、逆にその銘柄が買われて、株価が大きく上がることが多い。
引き受けた投資会社は、株価が上がったら、投資と交換で引きとった株を市場で売り、投資資金を回収して儲ける。
だから増資があるってことは、何か株価が大きく上がる材料があるってことになる。
もちろん第三者割当増資の発表の際に、引受先と、その資金の使い道も発表されるのだが、より具体的な発表は、少し後になる。
そこで、割当増資が発表されたら、みんなそのボロ銘柄を打診買いして、新しいニュースが開示されたら、買い増ししたりして株価が上がっていくわけだ。
これは超々低位株やボロ株には、よくある株価上昇のパターンで、増資を引き受けるVC(ベンチャーキャピタル)や投資会社の名前を取って「○○銘柄」と呼ぶ。
たとえば第三者割当増資を引き受けたのが、オークという投資会社だったら、「オーク銘柄」などと言う感じだ。
もちろん増資にも色々あって、一括で増資をする場合と、新株予約権を発行して、少しずつ新株を発行していく場合がある。
また「行使価額修正条項付新株予約権」というのもあり、前日終値に対して、10%オフの価格で新株を発行する、なんていう方法で増資を行うこともある。
この場合、株価が上がれば上がるほど、増資で調達出来る金額が増えるので、新株を発行する企業は、株価を上げるための努力をするというわけだ。