株価の節目とは
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株価の急騰には、いくつか節目がある。
たとえば株価が2倍になると、急に売りが増えて、そこが株価上昇のピークになったりする。
ストップ高をつけた翌日も、売りが増えやすくて、寄り天になることも多い。
好材料が出て急騰しても、3日目とか4日目くらいには、上昇が止まってマイナスになることも多い。
他には、500円とか1,000円といった、節目価格で上昇が止まると言うこともよくある。
さらに「売り禁」「逆日歩10倍適用」「増し担」などといった、信用取引に対する規制も節目になりやすい。
つまり節目というのは「利確売りが出やすい状態や価格」ってことで、節目を意識して売買しているトレーダーも多いだろう。
節目で利確するか、節目で利確を我慢してさらに上を狙うか、ここは非常に悩むところだ。
そして貸借銘柄では、売り禁や逆日歩10倍適用が一つの節目で、ここで高値を維持できるかどうかが大きな分岐点になる。
というのも逆日歩10倍適用直後の相場は、大量の買いと大量の売りがぶつかりあうからだ。
カラ売り専門のトレーダー達は、10倍適用によって、買い埋めして損切りするか、買い建てして両建てでヘッジをするかという選択を強いられる。
これに対して大口の投資家は、その損切りの買いやヘッジ買いに、利確売りをぶつけてくる。
大口は持ってる株数が多いため、買い注文がたくさんあるタイミングを見計らって、自分の株や買い玉を売りあててくるのだ。
なので逆日歩10倍適用直後の相場は、揉み合いが続いた後の株価がどうなるかで、踏み上げ相場になるかどうかが決まる。
サノヤス急騰4日目(逆日歩10倍適用発表翌日)の五分足チャート(7/15金曜 三連休前)
2016年7月のサノヤスの場合は、逆日歩10倍適用直後に揉み合った後、買いが入ってストップ高まで買われた。こうなると、さすがに強いね。
増し担も節目の一つ
2016年7月に踏み上げ相場になったサノヤスHDの場合、逆日歩10倍適用発表の翌日に、高値で揉み合った後、最後はまたストップ高まで買われた。
こういう風に、節目のタイミングで株価が上昇すると、上昇相場が継続することが多い。
というのも売りが出やすいタイミングで、買いの勢いがそれを上回っているわけだから、まだまだ上に行くと予想できるからだ。
また踏み上げ相場の場合、貸株不足がどれくらい残っているかでも、その後の行方が占える。
サノヤスの場合は、株価10倍適用後も、250万株もの貸株不足が残っていた。
サノヤスの日証金速報(2016年7月15日)
これくらい貸株不足が残ってると、まだまだ踏み上げ相場は続く。
逆に逆日歩10倍適用直後に株価が下がったり、貸株不足が50万株程度になると、その日が株価上昇のピークで、踏み上げ相場が終わりになることも多い。
そして次に来る節目が「増し担(ましたん)」だ。
増し担というのは、信用取引規制の一つで、保証金率を30%から50%に増やす措置だ。
株価が急騰して売買が激しくなると、それを少し冷やすために、信用取引に必要な保証金の割合を引き上げる。
通常は10万円の株を買うのに3万円の保証金が必要だが、それを5万円に引き上げる。
これによって信用売買できる株数が減るので、出来高を抑えることができる。
この保証金率が引き上げられるタイミングで、利確売りが増えることも多い。
ところがサノヤスの場合は幸運なことに、増し担が発表された翌営業日は火曜日で、逆日歩3倍デーであった事から、高値で寄りついてわずか10分たらずでストップ高に貼り付いた。
これはちょっとビックリしたね。
サノヤス 増し担初日(16/07/19 火曜日)
連休前にあれだけ激しい売買があったのに、この日はもうたった10分で終わりだった。