IPO公募価格と初値形成後
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株式の新規上場後、最初についた株価を特に「初値(はつね)」という。
初値がいくらになるか(初値形成)は、その後の株価に大きく影響する。
というのも初値を割ると、売りが殺到して、あっと言う間に株価が下がってしまうからだ。
IPOは想定価格よりも安く売り出すので、初値は公募価格よりも高いことが多い。
IPO初日には初値が決まらず、初値形成までに2~3日かかるときも多い。
しかし公募価格よりはるかに高い初値で初値形成が行われてしまうと、そこから大崩れすることも多い。
というのも公募でIPO銘柄を買った投資家が、初値が決まった瞬間に売り始めるからだ。
公募価格の2倍以上になったと思ったら、今度は売りが殺到して、ストップ安なんてことが、IPOでは毎回の様に繰り返されている。
理想的な展開は、多少高めで始まって、売りが一巡した後に買いが入り初めて、株価がそこから上昇するの展開だ。
こういう場合は、初値形成後に、株価が何倍にもなったりする。
逆に公募価格より初値が安くなると、投げ売りが始まって株価が低迷する。
また初値形成が高く始まっても、そこから株価が伸びないと、売りが殺到して株価は初値割れになってしまう。
こうなると高値にシコリができて、上値が重くなるので、初値ブレイクするまで、何日も何週間も何ヶ月もかかる。
だからIPO銘柄を買う人は、初値割れになって含み損が増える前に、さっさと売り抜けるわけだ。
大型IPOのその後
IPOに応募したり、上場後に、IPO銘柄を買うかどうかは、IPO上場後の株価がどうなるか、予めイメージして判断するしかない。
まずいきなり東証一部に上場する大型IPOと呼ばれる銘柄の株価だが、2010年以降の大型上場のその後の株価の推移を見てみよう。
大型IPO後のチャート例(8750第一生命保険)
公募価格1,400円、初値1,600円(10/04/01)、上場来高値2,665円(15/08/11)※初値は公募価格を上回ったが、そのあと下落に転じ、初値を高値ブレイクするまで約3年もかかっている!大型IPO後のチャート例(2587サントリー食品インター)
公募価格3,100円、初値3,120円(13/07/03)、上場来高値\5,810(16/02/02)※非上場会社のサントリーの子会社のIPO。
積極的な提携や投資で株価は堅調。
大型IPO後のチャート例(6098リクルートホールディングス)
公募価格3,100円、初値3,170円(14/10/16)、上場来高値4,315円(15/04/23)大型IPOの場合、これからグングン成長するような企業ではないので、サントリー食品の様に、積極的にM&Aを行い、売上高を伸ばしていないと、さほど株価は上がらないらしいね。